いわゆる顎関節症について

顎関節症(ガクカンセツショウ)という言葉を最近耳にすることが多くなりました。しかし、言葉ばかりが先行していて、誤って理解されているようです。
例えば、「全ての病気は噛み合わせが悪いと起こる」というような極論をおっしゃる先生もいらっしゃいますが、必ずしもそうとは言えません。
確かに人の体は頭から足までつながっています。どこが具合悪くともその影響は全身に及びます。ですから噛み合わせが悪く、顎(アゴ)の具合が悪くなれば、 いろいろな症状(顎の痛み、首の痛み、肩こり、背中や腰の痛みなど)も出ることもありますが、体の他の悪い場所の影響から出ている症状でもあり得るのです。 言い換えれば、精神的な悩みやストレス、さらに体のどこかが悪いため顎の機能が侵されることも多いということを忘れないでください。
このような例があります。
顎が痛くて大きな口が開けずにいた人が、毎日一生懸命歩いただけでその他には何もせずにすっかり治ってしまった。
そんな例は少なくありません。
ですから正しく全身をみて判断することがいかに大切かを理解して頂きたいと思います。
決して歯だけに気をとらわれないでください。

潮デンタルクリニック院長